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色の表現とは何か?

  • hirovideocreator
  • 2025年10月29日
  • 読了時間: 5分

更新日:2025年11月8日

〜映像が語り始める最初の “言葉”〜



はじめに

映像というと、「動き」や「音」の印象が強いかもしれません。

でも実は、色がつくる “空気” が、作品の印象を大きく左右しています。


ほんの少し色を変えるだけで、明るい映像がどこか切なく見えたり、静かなシーンが一気に力強くなったりします。


言葉がなくても、音がなくても、色はその場の感情を語ってくれる。

今回は、そんな “色の表現” について、私が映像づくりの中で感じてきたことをお話ししたいと思います。



▼この記事でお話しすること

日常の中にある“色の意図”に気づくことで、世界の見え方が変わる。

色は目で見るものではなく、心で感じる“感情の言葉”である。

色のわずかな違いが、映像の空気や感情の温度を変えていく。

色は物語を導く主役にも、静かに支える脇役にもなる。

色は、心の奥にある感情をそっと呼び起こす存在である。





  1. 気づいた色のこと




映像を学ぶ前、私は「色」を特別なものとして意識したことがありませんでした。

景色を見ても、服を選んでも、「なんとなく好き」「落ち着く」くらい。

色を感情として捉えたことは一度もなかったんです。


でもある日、自分の「好きな色」について考える機会がありました。

私の好きな色は、赤。なぜだろう――。


そう思って少し調べてみると、赤は「情熱」「エネルギー」「生命力」を象徴する色だと知りました。

そこから日常を見渡すと、たしかに “意図を持って色が使われている” ことに気づいたんです。


街の看板、カフェの照明、ブランドのロゴ。どれもその空間や商品が伝えたい感情に合わせて選ばれている。


  • コンビニの赤いロゴは「行動を促す色」

  • 病院の青や白は「清潔感と安心感」

  • カフェのブラウンは「落ち着きと温もり」

  • ファッションブランドの黒は「高級感」や「自信」


どれも “心の反応” を狙って作られていた。

そう思った瞬間、私の中で「色を見る目」が変わりました。


そして気づいたんです。映像にも、同じように “感情を導く色” が存在するということに。



  1. 色は “情報” ではなく “感情”




たとえば、映画の中の夕焼けを思い出してみてください。

強い赤なら「情熱」や「決意」を、淡いオレンジなら「ぬくもり」や「懐かしさ」を感じるのではないでしょうか。


同じ空でも、少しの違いでまったく別の感情を生み出します。

だから、色はただの見た目ではなく、感情を運ぶ言葉のようなものです。


私は映像の構成を考えるとき、まずそのシーンのイメージを明確に思い浮かべます。

「このシーンはこの雰囲気で、この感情を表したい」

そう考えながら、自然と色を選んでいきます。


寒い朝なら、少し青みを残して冷たさを出す。

家族の団らんなら、あたたかい光を映す。

色の選び方で、その瞬間の“心の温度”が決まっていきます。


なので、もし「正しい色」というものがあるとすれば、それは “自分が伝えたい空気や感情” なのだと思います。



  1. 色が感情を動かし、世界の空気をつくる




色は、人の心を静かに動かす力を持っています。

たった一つの色の違いが、その場の空気を変え、観る人の感情のリズムさえ変えてしまうことがあります。


強いコントラスト(明るい部分と暗い部分の差が強い)は力強さを、やわらかいトーン(明るい部分と暗い部分の差が弱い)は穏やかさを生み出します。

光を強くすれば希望を、弱くすれば静寂を感じる。


色は、感情の呼吸をデザインするものです。

その使い方ひとつで、映像の世界観はまったく変わります。


明るさの差を大きくすればエネルギーを、やわらげれば落ち着きを生む。

どちらも正解であり、作品の“性格”を決める要素です。


色は、感情を動かし、世界を形づくる。その調和が生まれたとき、映像は静かに語りはじめます。


  1. 色は、主役にも脇役にもなる



色は、常に同じ役割ではありません。

それはまるで、カメレオンのような役者です。

あるときは主役として、全体をその色で染めて物語を引っ張っていく。


たとえば、恋愛のシーンを淡いピンクで包めば、優しさや夢が伝わる。

夜の街を深い青で染めれば、孤独や静けさを感じる。


でも逆に、主張を抑えて、登場人物や音を引き立てるために、静かに溶け込むこともあります。

背景の壁の色を少し落とすだけで、人物の表情が引き立つ。

それだけで、そのシーンの意図がより伝わることがあります。


色は、主役にも、脇役にもなれる。映像の中で最も自由な存在です。



まとめ


映像の中で、色は登場人物でもあり、語り手でもあります。

ストーリーが言葉で物語を進めるなら、色はその世界を包み込む “空気” として感情を導いていく。


あたたかい色にするか、冷たい色にするか。

光を追うか、影に委ねるか。

その選択一つひとつが、「この物語をどんな温度で生きたいのか」という問いになる。


映像における色表現とは、感情を呼吸させるための、最も静かなデザインだと思います。



次回は、もう少し踏み込んで――「なぜ人は、ある色に心を動かされるのか」色と感情のつながりを、心理的な視点から掘り下げていきます。



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