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撮影は、いっしょにつくるもの。被写体と歩む映像のカタチ

  • hirovideocreator
  • 6月26日
  • 読了時間: 5分

更新日:8月15日

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前回は、構成づくりについてお話ししました。 言葉にならない想いを、どうすれば自然に、無理なく届けられるか。 構成とは、共感の設計であり、伝えたい気持ちを映像というカタチに整える大切な工程です。

けれど、どれだけ構成を練ったとしても、それが “伝わるカタチ” になるかどうかは、現場での撮影にかかっています。 もちろん、ヒアリングも大事、構成も大事、撮影も大事。全部がつながって、ひとつの映像になるものです。 今回は、その中でも “撮影” という工程にフォーカスして、私がどんなことを大切にしているかをお話ししてみたいと思います。




▼この記事でお話しすること:

  1. 撮影とは、編集では補えない “素材” をすくいとる時間 

    構成がレシピなら、撮影は食材集め。空気ごと丁寧に収めることが大切です。

  2. 撮影現場で私が大切にしている2つのこと 

    緊張をほぐす空気づくりと、「また撮りたい」と思ってもらえるような思い出づくり。

  3. 1on1バスケ撮影で気づいた “いっしょにつくる” という姿勢 

    バスケ未経験だからこそできた、選手と一緒に構図をつくり上げるという体験。

  4. 撮影とは一方通行ではなく、対話である 

    知識と感覚を持ち寄り、クライアントと “共に作る” ことを重視している理由。

  5. 撮られることに不安を感じるあなたへ 

    読者の不安に寄り添いながら、自然に「撮ってみたい」と思える空気感を大切にしています。




  1. 撮影とは、編集では補えない “素材” をすくいとる時間


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映像制作における「撮影」は、料理でいえば “食材を集める” 工程です。

どんなに上手に編集(=調理)しても、素材がよくなければ本来の魅力は引き出せません。

編集では再現できない “その場限りの空気” を、どう映像に残すかが、撮影の役割です。

その “素材” とは、単なる映像のクオリティだけではなく、その人の空気、声の間合い、視線の動き、ちょっとした沈黙の質までを含んでいます。



  1. 撮影現場で私が大切にしている2つのこと

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撮影のとき、私が特に意識しているのは次の2つです。

ひとつ目は、空気を整えること。 多くの方にとって、カメラを前にすると自然体でいるのは難しいものです。 緊張から、表情や動きが硬くなってしまうことも少なくありません。

だから私は、現場の空気そのものをできるだけ柔らかく、安心できるものに整えるように心がけています。 それは「演出」ではなく、「寄り添う」こと。 時間をかけて、その人の “らしさ” が自然に出てくるのを待つような感覚です。


ふたつ目は、撮影が “楽しい記憶” として残るようにすること。 もしかしたら、撮影はその方にとって最初で最後の機会かもしれません。 だからこそ、単に“撮られた”という記録ではなく、“いい時間だった” という思い出として心に残ってほしいと願っています。

こうした姿勢や時間の使い方は、効率だけを求める撮影とは違うかもしれません。ですが私は、この “一つひとつの丁寧さ” こそが、私の撮影の価値であり、価格の理由の一部だと考えています。



  1. 1on1バスケ撮影で気づいた “いっしょにつくる” という姿勢


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以前、1on1のバスケットボールシーンを撮影したことがあります。 そのシーンの中にオフェンスとディフェンスそれぞれのPOV(主観)ショットを撮ることがありました。

ただ、私はバスケ未経験。


「実際の距離感ってこれでいいのか?」

「この揺れ方、動き方はリアルに感じるのか?」


自分ひとりでは判断がつきませんでした。

そこで私は、モニターに映った映像を選手本人に何度も見てもらい、プレーのリアルさを確認しながら撮影を進めていきました。 一緒に確認しながら、一緒に迷いながら、撮影というカタチができあがっていきました。


一つひとつ相談しながら、「これだね」と一緒に納得しながらつくるプロセスは、まさに“いっしょにつくる”という感覚そのものでした。

撮影=一方的に撮ること、ではない。 そんな気づきを与えてくれた大切な現場です。



  1. 撮影とは一方通行ではなく、対話である


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カメラを持っているからといって、自分が「伝える側」になってしまってはいけない。私はいつも、そう自分に言い聞かせています。

構成を立て、画づくりを考え、機材をセットし、撮影をする。

たしかに、撮影者は全体のリードを担う立場です。 でも、“伝わる映像”になるかどうかは、カメラの前に立つ人との関係性にかかっていると私は考えています。

たとえば、


「この角度、ちょっと不自然に感じます」

「本当はこういう言い方のほうがしっくりきます」


そんな小さな一言が、その人 “らしさ” を引き出す鍵になることがあります。

だから私は、撮影の最中にもよく質問をします。


「この話、普段どんな言葉で話してますか?」

「ここは少しゆっくり話してみますか?」


ときには、こちらが想定していた構図やセリフを変えることもあります。

撮影は、“撮られる人” と “撮る人” が、少しずつ呼吸を合わせていく時間だと私は思っています。

撮影とは、ただ撮る側の都合で “素材” を集める作業ではなく、 その人が自分自身と向き合いながら、少しずつ本音を引き出していく時間。 つまりは、“対話” であり、“共同作業” なのだと思います。


この対話の積み重ねが、見る人の心にも自然に届く映像へとつながっていくと信じています。




  1. 撮られることに不安を感じるあなたへ


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カメラの前に立つのは、誰だって緊張するものです。


「うまく話せるかな」

「自分らしく映れるだろうか」――そんな不安もあるかもしれません。


でも、だからこそ私は、あなたと一緒に作りたいのです。

その人にしかない “空気” や “間” を、無理なく引き出すことが私の仕事です。

映像を通して “安心して自分を出せる時間” を一緒につくること、それが私の役割です。


もし、「自然なカタチで映像に残してみたい」 「ただの記録ではなく、思い出に残る時間にしたい」 そう思っていただけたなら、ぜひ一度、お話してみませんか?









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