私がスキルを磨く理由は逆だから
- hirovideocreator
- 9月4日
- 読了時間: 6分
更新日:9月11日
〜想いがあるから、スキルは活きる〜

はじめに
スキルは、とにかく数を積み上げればいい──そう信じていました。
でも実際には、そのやり方では全然身につかない。
むしろ「学ぶ理由」が明確なときこそ、スキルは一番早く、自分のものになっていきました。
前回のブログでは「心に響く映像と響かない映像の違いは?」という話をしました。
技術だけでは心に残る映像にはならず、誰の物語か・どんな感情を残すのか・世界観の一貫性があるかどうかが大切だ、と。
では、その設計を支える「スキル」はどう磨いていくのか?
実は私は、一般的な順序とは“逆”の道を選んできました。
▼この記事でお話しすること:
HOW TOに頼りすぎていた頃の失敗と気づき。
学生時代と社会人の学び直しを例に、スキル習得の本質を解説。
編集・撮影・カラーという3つの具体例を紹介。
スキルを活かすために欠かせない「学びの姿勢」について。
私が “逆の道” を選んだ理由と、スキルを磨く本当の意味。
スキル偏重の罠

映像を始めたばかりの頃、私はとにかくHOW TO動画を漁り、スキルを片っ端から覚えればいい映像が作れるはずだと信じていました。
そうして必死に学び、作った動画たち。
でもあるとき気づいたんです。
それらは「ただ自分が満足したいだけの動画」だった、と。
見返したとき、自分では頑張ったつもりなのに、誰の心にも届いていないことが悔しくてたまりませんでした。
私が使ったスキルたちは、実際の視聴者には必要なく、むしろ伝えたいことを邪魔していたのです。
スキルを乱立させるように磨いても、誰の心にも響かない映像ばかり。
その気づきから、私は「何を伝えたいのか」という出発点をまず持ち、そこから必要なスキルを学んでいくという逆のアプローチに切り替えました。
ここで重要なキーは2つ。
① 明確な目的を持って、自分が本当に必要なこと・やりたいことを学ぶこと。
② 今の自分に必要のないものは、無理に時間をかけて学ばないこと。
必要なときに学ぶから身につく

学生時代を思い出してみてください。
好きな教科は、自分から進んで学んだり、熱意を持って取り組めたはずです。
一方で、嫌いな教科や興味のないものは、頭にまったく入ってこないし、授業自体が苦痛だった──そんな経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
でも不思議なことに、大人になってから「学び直す」ケースは意外と多いと思います。
私の場合は、海外移住のための英語や、撮影ライティングを理解するための物理(光や影の仕組み)などがそうでした。
学生の頃は全然頭に入らなかったのに、今学ぶと100倍理解が深まるし、学ぶこと自体が楽しい。
つまり、必要なときに学ぶからこそ理解度が高まり、身につくのです。
そして学生の頃に学んだことも、後になって意味を持つことがある。
スキルもまた同じです。“必要なタイミング” でこそ、本当の力を発揮します。
この考え方を次に私のケースで、そのまま映像制作におけるスキル習得に当てはめてみます。
映像制作でのスキルカテゴリー

編集
最初に必要だと感じたのは編集でした。
映像を始めたばかりの頃は、撮影素材を渡されて編集を任されることも多く、その素材をどう活かすかが自分の役割でした。
フッテージを選び、自然につなげ、音や音楽を重ねて世界観を整える──その基本を何度も繰り返しました。
編集は映像の土台をつくる大切な工程だと学ぶ一方で、「編集だけでは物語を完璧には生み出せない」という限界も痛感しました。
撮影
次に必要だと感じたのは撮影でした。
最初は「とにかく綺麗に撮る」ことを目指していましたが、それだけでは視聴者の心を動かせないことに気づきました。
なぜカメラを動かすのか、なぜ止めるのか、なぜこの構図なのか──その選択一つひとつに意図が必要だと学びました。
撮影はただの “綺麗な映像づくり” ではなく、物語や感情を支えるための手段だと実感するようになりました。
カラー
そして必要だったのがカラーです。
編集や撮影だけでは映像に “空気感” が出ないことに悩んでいたとき、色の持つ力を知りました。
同じカットでも、暖色に寄せれば安心感を、寒色に寄せれば緊張感を与えられる。
色は単なる装飾ではなく、感情を動かすための表現手段だったのです。
だから私は「もっと深い表現をしたい」という思いから、カラーを学ぶようになりました。
じつは、まだまだ他にも大切なスキルはあります。
ですが今回はこの3つに絞ってお話ししました。
続きは次回の「世界観を設計するという考え方」で、もう少し詳しく掘り下げていきます。
姿勢・マインドセット

ここまで編集・撮影・カラーといった具体的なスキルについてお話ししてきました。
けれど私がスキルを学ぶ上で、もうひとつ欠かせない要素があります。
それは「姿勢」です。
スキルはあくまでツールにすぎません。
だからこそ、「誰のために」「なぜ撮るのか」という問いを持ち続けることが大切です。
そして、自分にとって “映像を学び続ける理由” を常に問い直すこと。
一時的なモチベーションだけに頼るのではなく、あなた自身の “揺るぎない理由” を見つけてほしいと思います。
もしその理由を得たなら、何も心配する必要はありません。
この姿勢があるからこそ、編集・撮影・カラーといったスキルは意味を持ち、最大限に生かされるのだと思います。
自分を成長させるマインドについては、以前書いたこちらのブログもぜひご覧ください。
まとめ
私がスキルを磨く理由は、スキルそのもののためではありません。
「スキルを持っているから映像をやる」のではなく、「映像で伝えたいからスキルを磨く」のです。
本当に必要な表現が目の前にあるとき、そのために学ぶスキルは驚くほど早く身につきます。
そして理由が強ければ強いほど、そのスキルは自分の血肉となり、最大限に有効活用できる。
だから私は “逆の道” ──適切なタイミングで、適切なスキルを学ぶというアプローチを選んできました。
スキルは積み重ねるものではなく、想いを形にするために呼び寄せるもの。
そうして身につけたスキルは、ただの技術ではなく、自分の物語を支える力へと変わっていくのです。
次回予告
次回は「世界観を設計するという考え方」。
今回触れた “想い” や “設計” を、どうやって具体的に形にしていくのかをお話しします。 ▶︎ お問い合わせはこちらから


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